毎年5月の第3日曜日に開催される本まつりでは、仙台・青葉まつりの象徴ともいえる仙台山鉾巡行が行なわれます。仙台山鉾は11基あり、いずれも仙台市内の企業・団体により、街の繁栄や除災招福、無病息災や家内安全、商売繁盛などの願いを込めて運行されます。
仙台山鉾は藩政期に行われていた仙台祭の資料などをもとに、現代の仙台・青葉まつりにふさわしい復元・デザインを行ったもので、昭和63年(1988)に最初の5基が完成し山鉾巡行が始まりました。平成元年(1989)に5基、平成7年(1995)に1基が完成し現在の11基となりました。ヒノキ材を使用した堅牢な構造の本格的な山鉾には、政宗公甲冑を始め、福神や縁起物、仙台の伝統工芸品を載せるなど、随所に仙台山鉾としての工夫が凝らされています。
MASAMUNEKOU YAMABOKO
仙台の街づくりの原点である伊達政宗公の偉業を讃え、飾りには伊達家の家紋・三引両から考案された仙台市の紋章が取り入れられ、伊達政宗公の御神体として甲冑が祭られている。毎年、時代装束に身を包んだ仙台市長、仙台・青葉まつり協賛会長、仙台市議会議長が搭乗。仙台観光国際協会と仙台市の職員らが中心となり運行を行なっている。
平成元年(1989)制作
全長 6.35m/高さ5.8m/重量7.5t
AOBAKOMA YAMABOKO
奈良・平安の時代、仙台の木ノ下から朝廷に献上する名馬の無事を祈って作られた馬型を起源とする仙台市の郷土玩具「青葉駒」を載せた山鉾。多くの方の健康と家内安全を祈り、銘菓「萩の月」で全国に知られる菓匠三全が運行。薄衣をまとって舞う萩娘や壮麗な萩太鼓の音色が新緑の杜の都を華やかに彩る。
平成元年(1989)制作
全長 6.4m/高さ5.3m/重量6t
EBISU YAMABOKO
商売繁盛・除災招福の神・恵比寿さまを乗せた山鉾。文政2年(1819)に「得可壽屋(えびすや)」の屋号で創業し、「えびす様」を守り神として今日に至る仙台の老舗百貨店・藤崎が運行。商都・仙台に隆盛と幸福がもたらされるよう願いを込めて、社員による華やかな仙台すずめ踊りとともに巡行を行っている。
昭和63年(1988)制作
全長6.35m/高さ5.4m/重量6.5t
OODAI YAMABOKO
世界有数の漁場として名高い三陸沖を控え、海の幸の恵み豊かな仙台で大漁豊饒を祈願する山鉾。“めでたいことが続きますように”と願いを込めた大鯛の飾りと、魚網に飾られた市民から寄せられた願掛け絵馬が特徴。仙台名物・笹かまぼこの老舗・阿部蒲鉾店が多くの人の幸せを願いながら運行している。
昭和63年(1988)制作
全長6.35m/高さ5.5m/重量5.5t
KARAJISHI YAMABOKO
中国、日本に伝わる神獣「唐獅子」。巻毛の鬣(たてがみ)を蓄えた勇壮な姿は強さの象徴といわれ、火伏せ、悪魔払い、息災延命など縁起のよい生き物と考えられてきた。元禄年間創業、伊達家御用蔵として暖簾を守り続ける蔵元「勝山酒造」や「宮城調理製菓専門学校」などを運営する勝山グループが運行。
平成元年(1989)制作
全長 6.4m/高さ5.3m/重量5.5t
GOSHINSEN YAMABOKO
城下町・仙台と港町・石巻を結ぶ貞山運河での物資輸送や漁業をはじめとする水産業振興のために活躍し、鹽竈神社の海渡りにも使われた「御神船」(ごしんせん)の雄々しい姿を表現した山鉾。運行は生鮮卸売業から食文化提案企業へと成長を続ける仙台水産。仙台市中央卸売市場の活気そのままの元気で威勢のいい巡行が行われる。
平成元年(1989)制作
全長6.4m/高さ5.5m/重量6.5t
SHICHIHUKUOODAIKO YAMABOKO
藩政時代、仙台の城下町に時刻を告げていた「胴大太鼓」にちなんだ、直径2.2mもある「七福大太鼓」を載せ、人々に幸運をもたらす「七福の響き」を響かせながら巡行。運行は明治11年(1878)創業の七十七銀行。勇壮な太鼓囃子と賑やかな笛や鉦、華麗な踊りや勇ましい引き手とすべてが調和した演出が観客を楽しませている。
平成元年(1989)制作
全長 6.4m/高さ5.4m/重量6t
DAIKOKUTEN YAMABOKO
福をもたらす福徳の神として古くから信仰されている七福神。そのひとりで五穀豊穣を司る大黒天を戴く山鉾。仙台市内に本社を構える6社の報道機関が、宮城の大地が豊かな実りに恵まれることを祈りながら運行。大黒天の曳き物には歴史があり、元禄十年(1697)の仙台祭に出ていることが記録に残っている。
昭和63年(1988)制作
全長6.35m/高さ5.2m/重量6t
HAYASHI YAMABOKO
能や狂言、神楽など、幅広い芸能をこよなく愛した伊達政宗公。その伝統を受け継ぎNTTグループの有志による笛や太鼓の賑やかなお囃子とともに巡行する「囃子山鉾」。山鉾の周りではお囃子に合わせて華麗な舞が披露され、しゃぼん玉のシャワーが山鉾を彩る。土曜日の宵まつりでは、幽玄で美しい巡行を行なっている。
昭和63年(1988)制作
全長 6.35m/高さ5.7m/重量6.5t
MIYABI YAMABOKO
国宝・大崎八幡宮にみられる桃山建築様式を取り入れた、京文化を偲ばせる優美で華麗な装飾が施された山鉾。JRグループよる巡行では、厳かで格式あるまつりの伝統を大切にしつつ、仙台すずめ踊りで躍動感ある楽しさを演出。宵まつりでは震災を風化させない“希望の灯火”を灯し巡行を行なっている。
昭和63年(1988)制作
全長6.35m/高さ5.5m/重量6.5t
MASAMUSEKOUKABUTO YAMABOKO
11基目にできた最も大きな山鉾で、兜姿の政宗公を戴き、唐破風には美しい彫刻が施されている。山鉾には12歳で嫁いだ政宗公の正室「愛姫」が搭乗。公募で選ばれた小学校6年生の女児が姫に扮する。日専連ライフサービスが観客のみなさんのご多幸と仙台発展の願いを込め巡行を行なっている。
平成7年(1995)制作
全長 6.35m/高さ6.2m/重量8t