伊達の伝統

TRADITION OF DATE

仙台・青葉まつりで
見ることができる
仙台の伝統・文化

仙台木遣 せんだいきや

木遣りは、山から木を運ぶ時など多人数で力仕事を行う時の掛け声を元にした労働歌です。やがて祭礼の山車・山鉾を引く時にも唄われるようになり、現在では各種祭礼や式典、出初式や結婚式でも縁起物の唄として歌われるようになりました。
木遣り唄は全国各地に残っており、仙台祭(江戸時代の東照宮例祭)の際にも木遣り唄を歌いながら山鉾を曳いていた様子が記録されていますが、いつしか伝統が途絶えていました。
平成25年(2013)、「仙台木遣り」を楽譜に起こした資料が見つかり、翌年の第30回仙台・青葉まつりの記念事業として「仙台木遣りの復元」に取り組みました。楽譜では、木遣り唄の独特の音階、こぶし回しなど、表現が難しい部分もありましたが、音楽家の榊原光裕氏や宮城県内で活動されていた「気仙沼人力車木遣会」の協力で再現し、平成26年(2014)の第30回仙台・青葉まつりの宵まつり「復興祈願山鉾巡行」にて、江戸木遣りの定番「真鶴・手古」とともに披露されました。今では仙台市内にも木遣り会が立ち上がり、仙台・青葉まつりが生んだ新名物として年々広がりを見せています。

仙台消防階子乗 せんだいしょうぼうはしごの(仙台市指定無形民俗文化財)

はしご乗りは梯子の上で火事場を探す所作などを盛り込んださまざまな芸を披露するもので、元は城下町の町火消しを務める鳶職等が火事の方角を見定めるために身に付けた技に由来すると伝えられています。仙台市において、階子乗りは仙台市消防団階子乗り隊によって伝承されました。現在、仙台市内には7 つの消防団があり、その前身は、藩政時代の町火消を引き継いで明治14年(1881)に組織された消防組で、明治27年(1894)に官設消防組織となりますが、その後も消防団活動と密接に関わり合いながら伝承されてきました。現在も、毎年 1 月 6 日の仙台市消防出初式には市内の各消防団から階子乗り隊が出場し演技を披露。仙台・青葉まつりでは、平成9年(1997)から本まつりで伝統の妙技を披露されています。
※仙台市の階子乗りの表記は、明治17年(1884)1 月 7 日『奥羽日日新聞』の「消防組の出初式」という記事に「階子乗りの式」と紹介されており、仙台市のはしご乗りを指すとき、「階子」の 字をあてることもここに由来しています。

伊達古式火縄銃演武

仙台・青葉まつりには、伊達藩の火縄銃の原料であるヒノキを産出した岩手県住田町の五葉山をはじめ、旧伊達領の鉄砲隊が出陣。杜の都・仙台の新緑の中で轟音と白煙があがる迫力の古式火縄銃演武が行なわれます。様々な陣形を組み、隊長の合図と共に撃ちだされる迫真の演武は必見です。

日置流印西派弓術 へきりゅういんさいはきゅうじゅつ

伊達藩に伝わった伝統弓術「日置流印西派(へきりゅういんさいは)弓術」は、離れたところから的を狙い射る弓術と異なり、相手を取り囲みながら少しずつ距離を詰めていく戦闘型の弓術です。仙台・青葉まつりでは、日置流印西派弓術の復興と継承、保存を目的として平成21年(2009)から活動を開始した「伊達印西派(だていんさいは)弓術研究会」の方々により演武が披露されるほか体験会も行っています。
※今年は実施しません。